2016年10月10日月曜日

海水浴場監視員をやりました

 私の故郷、山陰の海岸は、お盆が過ぎると土用波が立ち、クラゲが出現して泳ぎに適さなくなります。私の中学から高等学校2年までの720日から815日までの夏休みは、大概海で過ごしていました。痩せの大食いでした。さほど泳ぎが達者というほどではなかったのですが、先輩に言われて海水浴場の監視の手伝いもやっていました。

 海で櫓船を操れる生徒はそう多くはありませんでしたので、それを買われたのでしょう。ある時監視員の訓練がありました。溺れる人を助ける訓練です。山陰海岸特有の島の間の深い海で、溺れ役の先輩を10m程度離れた島に助け上げるのです。島の上から、船の上から、あるいは泳ぎながら、といった色んな状況に合わせて救助活動訓練をしました。

 原則は浮きや板を投げてそれに溺れている人をつかまらせるのですが、遠くから浮きや板を投げてもうまく行かないので、ロープを投げる訓練もします。大きい輪、小さい輪を交互に作って巻いたロープを、アンダースローで投げて、溺れている人に捕まらせる訓練が、技術的には一番高度な感じがしました。一番野蛮なのが溺れる人を直接救う方法です。


 溺れている人にうかつに近づくと、しがみつかれて一緒に溺れることになります。訓練では溺れ役の先輩に何度も海中に引き込まれてひどい目に遭いました。溺れている人の後ろから近づき、場合によれば海に突っ込んで弱らせてから助ける野蛮な訓練でした。現実に何人か助けましたが、溺れる人に直接手を出すことは一度もありませんでした。

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